Artists

Collaboration

Two artists exploring the primitive, low-level relationships between sound and image through synesthesia research.

Artist / Researcher / Educator

Zachary Lieberman

アーティスト、研究者、教育者。openFrameworks共同創設者、School for Poetic Computation (SFPC) 共同創設者。コードを詩として、テクノロジーを表現の原材料として扱う。

Philosophy / 哲学

I want to surprise you.

Liebermanの作品は、人間のジェスチャーを入力として受け取り、それを増幅する。描画を生き返らせること、声が見えたらどうなるかを想像すること、人々のシルエットを音楽に変換すること。その根底にあるのは「アートとデザインが第一、テクノロジーは第二」という信念。

「コードを絵の具や粘土のような原材料として扱う」「数学の写真家」と自称する。技術的な革新よりも、詩的な可能性を追求する姿勢が一貫している。

Key Works / 代表作品

2003
Messa di Voce
Golan Levinとの協働。2人のヴォーカリストの声をリアルタイムで視覚化。「もし声が見えたら、どのように見えるだろうか?」
2004
The Manual Input Sessions
手のジェスチャーと指の動きの表現可能性を探るオーディオビジュアル・パフォーマンス。アナログとデジタルのハイブリッド投影。
2005
openFrameworks
Theo Watson、Arturo Castroと共同開発。C++のクリエイティブコーディング・ライブラリ。世界中のアーティスト・デザイナーが使用。
2013
School for Poetic Computation
「コードの詩的可能性」を探る学校。ニューヨークを拠点に、アートとテクノロジーの交差点で教育活動を展開。

本企画における役割

Liebermanは、Golan Levinとの長年にわたる協働を通じて「知覚的に動機づけられたマッピング」と「オーディオビジュアル物質」の概念を実践してきた。本企画では、その経験に基づきながら、暗黙知として蓄積されたマッピングの知見を明示的な「合意」として構造化する試みに取り組む。「詩的計算」の視点は、IRが単なる技術仕様に留まらず、表現の可能性を開くものであることを保証する。

Artist / DJ / Programmer

Daito Manabe
真鍋 大度

アーティスト、DJ、プログラマー。Abstract Engine(旧Rhizomatiks)主宰。アート、テクノロジー、音楽の境界を横断し、身体とデータの関係性を探求する。

Philosophy / 哲学

Manabeの実践は、テクノロジーを通じて人間の身体と知覚の新しい可能性を探ることにある。電気刺激で顔面筋肉を制御する「Face Visualizer」から、Perfumeのライブパフォーマンスにおけるリアルタイム映像制御まで、常にテクノロジーと身体性の接点で作品を生み出してきた。

DJとプログラマーという二つのバックグラウンドを持ち、音楽的な時間感覚とコードによる精密な制御を統合する。データの視覚化ではなく、データそのものが持つ美学を追求する。

Key Works / 代表作品

2008
Face Visualizer
電気刺激による顔面の制御。テクノロジーと身体の直接的な接続を探る先駆的作品。Prix Ars Electronica受賞。
2010-
Perfume Live Performances
Perfumeのライブパフォーマンスにおけるリアルタイム映像演出。モーションキャプチャ、LED、プロジェクションの統合制御。
2016
Rio 2016 Olympics Closing Ceremony
リオ五輪閉会式 Tokyo 2020 Handover Segment。テクノロジーと文化の大規模な融合。
2006-
Abstract Engine (旧Rhizomatiks)
テクノロジー×アート×音楽の研究開発組織。ナイキ、ビョーク等との国際的なコラボレーション。

本企画における役割

Manabeは、大規模パフォーマンスにおける音と映像のリアルタイム制御の経験と、DJとしての音楽的直感を本企画に持ち込む。特にOSC/MIDIベースの既存ワークフローに精通しており、現行プロトコルの限界を実感的に理解している。IR設計において「実装可能性」と「現場での使いやすさ」を検証する役割を担うとともに、音楽側からの視点でIRの音響パラメータ設計に貢献する。

二つの視座の交差

Lieberman

詩的計算の視座

コードを詩として扱い、知覚的な驚きを生む。「オーディオビジュアル物質」の概念を通じて音と映像を単一の素材として捉える。

openFrameworks, SFPC, Golan Levinとの協働

Manabe

身体とデータの視座

大規模パフォーマンスのリアルタイム制御。DJとしての音楽的時間感覚とプログラマーの精密さを統合する。

Abstract Engine, Perfume, 電気刺激制御

Convergence / 交差点

合意としての同期

Liebermanの「知覚的マッピング」への深い知見と、Manabeの「リアルタイムシステム制御」の実践。両者が交わる地点で、音と映像の「暗黙の合意」を「明示的なプロトコル」に昇華する。自然言語やセマンティクスではなく、共感覚リサーチに根ざした原始的な音映像対応を基盤に、新しいオーディオビジュアル体験を設計する。

Shared Context / 共通する文脈

両者ともFischingerからWhitney、Levinに至るヴィジュアル・ミュージックの系譜を共有し、openFrameworksを通じたクリエイティブコーディング・コミュニティの中心人物。音と映像の関係性を単なる「反応」ではなく「構造的な対話」として捉える点で一致している。

本企画は、二人のアーティストがそれぞれの実践で蓄積してきた暗黙知を、共有可能な「合意」の形式に翻訳する実験でもある。成功すれば、展覧会後も再利用可能なプロトコルとアーカイブが残る。