# Room B — 公開プレビュー

Status: **PREVIEW / WORKING DRAFT — 2026-08-07**

本稿は、Room Bの作品構想と技術構成を共有するためのプレビュー版です。夜間運用、保存する履歴の構成と期間、データの取り扱い、最終的な映像・音響・センシング仕様は、制作過程で更新されます。

## 作品コンセプト

**行動が履歴になり、次の世界を変える。**

Room Bを訪れる来場者は、それ以前に訪れた人々の振る舞いが積み重なる世界に出会う。正面と左右、三面を覆う映像の中で、仮想的な個体の群れが生まれ、離合し、消えていく。音は、同じ世界のもう一つの現れとして、空間を移動する。

来場者の振る舞いは、この世界を取り巻く環境になる。人が一箇所に集まれば、そこに圧力が生まれ、群れはそれを避け、あるいは引き寄せられる。人が去った後も、その偏りはしばらく世界に残る。移動や滞留は、圧力、偏り、撹乱へ変換され、群れが生きる環境の変化として世界に届く。

世界の内側では、群れがアルゴリズムによって自律的に振る舞い、LLMエージェントがその状態と履歴を解釈している。LLMは、パラメーター、集団間の関係、使用するアルゴリズムに作用し、世界の変化を生む条件を更新する。内部の運動、条件への作用、そして来場者から絶えず加わる環境の変化。三つが重なり、世界は誰にも予測しきれない方向へ展開していく。

閉館後には、一日分の履歴を用いて、より長い時間の計算を行う運用を構想している。LLMによる履歴の解釈とシミュレーションを組み合わせ、個体や集団の関係、パラメーター、アルゴリズムを再編し、その結果を翌日の初期条件へ受け渡す。異なる来場者の時間は、こうして一つの世界の中に積み重なっていく。

来場者は、他者の振る舞いが積み重なる環境の中を動き、自らの振る舞いを次の時間へ手渡していく。

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## テクニカル・コンセプト

**三つの変化源が、一つの状態を更新する。**

Room Bのシステムは、アルゴリズムによる内部の運動、変化の条件を書き換えるLLMエージェント、そして来場者から変換される外部条件という、三つの変化源によって構成される。

LiDARと深度カメラが、来場者の位置、速度、滞留、密集や分散を観測する。複数のセンサーの情報は共通の室内座標へ統合され、派生特徴へ変換される。これらの特徴は、仮想的な個体と集団が生きる世界に対して、外部環境から加わる圧力、偏り、撹乱として構成される。

システムの内部では、個体と集団が、局所的なルール、相互作用、保持された状態によって変化する。個々の要素は状態と空間的な関係によって集団化され、LLMエージェントが扱える単位へ抽象化される。

LLMエージェントは、各集団の状態、関係、出来事、履歴を解釈する。定義された権限の範囲内で、変化を支配する条件——シミュレーションのパラメーター、集団間の関係、使用するアルゴリズムの選択と組み合わせ——に作用し、その結果を内部世界へ戻す。リアルタイムの映像と音響は高速な計算層が担い、LLMはより遅い周期で世界に介入する。

内部の状態、来場者から変換された外部条件、LLMによる作用は、一つの共通データ層に統合される。同じデータが、三面映像の形態、流れ、残像と、空間音響の位置、密度、減衰へ写像される。映像と音は、一つのシステム状態が異なる感覚として現れたものになる。

開館中は、センシングから映像・音響の生成までをリアルタイムで実行する。来場者から得られた行動特徴とシステム状態は履歴として保存され、その日のうちに、後の来場者が出会う環境条件へ反映されていく。

閉館後には、保存された履歴を用いた長時間の成長と再計算を行う運用を検討している。LLMによる履歴の解釈とシミュレーションを組み合わせて、集団の関係、パラメーター、アルゴリズムを更新し、評価を経た状態を翌日の初期条件へ引き継ぐ構想である。

## プレビュー段階での検討事項

現在、夜間運用の頻度と時間、保存する履歴の具体的な構成と期間、生のセンサーデータの取り扱い、匿名化、来場者への告知と非参加の方法を検討している。これらは完全版の公開前に設計と運用を確定し、本稿を更新する。
